この記事で分かること
- リフォーム案件を管理する単位
- 受付から請求までのステージ
- 追加変更を漏らさない方法
- Excel・SaaS・独自連携の選び方
SUMMARY / 3行結論
先に結論
- リフォーム案件は、顧客・現場・案件を分け、案件IDへ現調、見積版、発注、写真、変更、請求を関連付けます。
- ステージだけでなく、各案件の次回行動、担当、期限、完了条件を必須にすると、件数が多くても滞留を検知できます。
- 追加変更は口頭・チャットだけで進めず、依頼、見積、顧客承認、発注、施工、請求の状態を元契約と分けて記録します。
リフォーム案件管理で起きやすい問題
- 電話・LINEの相談が案件台帳へ登録されない
- 現調日程や必要写真が担当者しか分からない
- 見積提出後の連絡日が決まっていない
- 受注後に資材・協力会社の発注が漏れる
- 工事中の追加変更が口頭で進む
- 完工確認と請求開始がつながらない
- 小口案件が大型案件の陰で滞留する
顧客・現場・案件・作業を分ける
- 顧客: 世帯・法人と連絡先
- 現場: 住所・建物・鍵・駐車・注意
- 案件: 工事種別・担当・金額・ステージ
- 現調: 日時・部位・寸法・写真・不明点
- 見積・契約: 版・前提・除外・承認
- 作業・発注: 担当・期限・依存先・完了
- 変更: 依頼・差額・顧客承認・請求
- 完工・請求: 検査・是正・引渡・入金
同じ顧客から複数の修繕依頼が来るため、顧客行へ工事状況を上書きしません。浴室、屋根、設備など相談ごとに案件IDを作り、一つの現場と複数案件を関連付けます。
受付から請求までのステージと完了条件
| ステージ | 管理すること | 完了条件 |
|---|---|---|
| 受付 | 相談、現場、希望、緊急性 | 対応可否・担当・初回連絡 |
| 現調準備 | 候補日、質問、必要資料 | 日時と準備物を双方確認 |
| 現調済 | 写真、寸法、要望、不明点 | 見積入力がそろう |
| 見積中・提出 | 期限、版、承認、次回連絡 | 顧客へ正式版を送付 |
| 契約・発注 | 契約条件、材料、協力会社 | 必要発注と施工条件を確認 |
| 施工 | 工程、写真、変更、是正 | 完工検査へ進める |
| 完工・請求 | 顧客確認、書類、請求、入金 | 未完了・未請求がない |
案件ごとに次回タスクを一つ以上持つ
| 項目 | 例 | 目的 |
|---|---|---|
| 行動 | 仕入先へ納期確認 | 曖昧な『対応中』をなくす |
| 担当 | 営業A、工務B、協力会社C | 責任を明確化 |
| 期限 | 9月15日15時 | 遅延検知 |
| 待ち先 | 顧客、メーカー、設計 | 自社作業と待ちを分ける |
| 完了条件 | 回答を案件へ記録 | やりっぱなし防止 |
毎朝、期限超過、期限なし、一定日数更新なし、見積提出後未連絡、完工後未請求を一覧化します。会議では全案件を読み上げず、例外だけを確認します。
追加変更を別フローで管理する
- 現場で依頼
- チャットで共有
- そのまま施工
- 請求時に確認
- 変更IDを発行
- 範囲・金額・工期を提示
- 顧客承認を保存
- 発注・施工・請求へ反映
- 変更の依頼者・日時・内容
- 元契約との差分
- 追加・減額と原価・粗利
- 工期・他工程への影響
- 顧客承認の方法と証跡
- 材料・協力会社の発注
- 完工・請求への反映状態
変更契約や見積に必要な事項は工事・取引条件で異なります。国土交通省の最新情報と自社契約書を確認し、法的判断は専門家へ相談します。
Excel・SaaS・連携を選ぶ基準
Excel
更新者が少なく案件件数も少ない。入力規則・共有・期限管理を整える。
案件管理SaaS
複数担当で写真、工程、発注、チャットを共有したい。標準適合を試す。
CRM + 工事管理
営業と施工で目的が異なる。契約時に確定情報を連携する。
個別連携
受付・見積・会計の転記が多い。正本とAPI責任を決めて接続する。
8週間で一業務から改善する
1〜2週: 現状案件を測る
件数、滞留、期限超過、差戻し、未請求を記録します。
3〜4週: ステージとタスクを統一
進行中案件だけで最小項目を試します。
5〜6週: 変更と引継ぎを追加
追加工事、発注、完工、請求の完了条件をつなぎます。
7〜8週: ツールと連携を判断
実測した入力・検索・漏れを基に設定・移行範囲を決めます。
案件管理の効果を確認する
| KPI | 見る理由 | 主な改善 |
|---|---|---|
| 初回返信・現調設定時間 | 受付漏れ | 担当・通知 |
| 見積提出日数 | 情報・承認待ち | 現調・見積 |
| 期限超過・更新なし件数 | 滞留 | 次回タスク |
| 追加変更の未承認・未請求 | 粗利・契約 | 変更フロー |
| 完工から請求までの日数 | 回収遅延 | 完了条件・連携 |
| 見積粗利と完工粗利の差 | 原価・変更精度 | マスタ・実績還元 |
向いている
- 小口を含む複数案件が並行する
- 営業・工務・協力会社で期限を共有する
- 追加変更と請求漏れを測れる
- 運用責任者が例外案件を毎週確認できる
向いていない・先に整理が必要
- 担当者への口頭確認を前提にする
- 顧客・現場・案件を一行で管理する
- 追加変更をチャットだけで承認する
- ツール導入後の更新責任を決めない
参考資料
仕様・制度は変更される場合があります。リンク先の最新情報も確認してください。
- 建設業法・入契法改正(令和6年法律第49号)について国土交通省 / 確認日 2026.09.09
- 中堅・中小企業等向けDX推進の手引き経済産業省 / 確認日 2026.09.09
- 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン独立行政法人情報処理推進機構(IPA) / 確認日 2026.09.09